文学に見る反戦と抵抗

過酷な弾圧のもと、文学は何を表現しようとしたのか。肺腑をえぐるような苦闘の中から生み出されたプロレタリア文学。搾取と貧困をもたらすものを告発し、人間の尊厳を求める魂の表現は、現在を撃つ言葉でもある。著名な黒島伝治、葉山嘉樹、小林多喜二、徳永直などの作品だけでなく、住井すゑ、宮本百合子などの女性作家、右遠敏郎、森与志雄まで幅広く紹介するプロレタリア文学作品案内。

著者略歴
山口 守圀
ヤマグチ・モリクニ
1932年生まれ。1953年、同人誌『文学世代』同人。1970年、同人誌『渦流』同人。日本民主主義文学会会員。著書「文学に見る反戦と抵抗 私のプロレタリア作品案内」(2001年)、「文学運動と黒島伝治」(2004年)、「短編小説の魅力」(2005年、いずれも海鳥社)
目次

黒島伝治「二銭銅貨」と「豚群」
プロレタリア文学の新発掘
森与志男「炎の暦」について
短篇を読む
葉山嘉樹ノート序章
小林多喜二作品案内
間宮茂輔の短編を読む
新井紀一の反軍小説『炭鉱地帯』と『通信』の中から
田宮虎彦と短編一、二について
「右遠俊郎短篇小説全集」の中から
中山義秀の歴史小説について
初期のプロレタリア文学作品案内
黒島伝治の反戦小説
資料に見る三・一五事件と小林多喜二
平沢計七の作品から
水上勉の戦争小説二編


文学に見る反戦と抵抗

A5判 並製/432頁
定価 2640円(本体2,400円)
ISBN 978-4-87415-817-3
C0095
2011年5月発行

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カテゴリー: 文学・記録