アクロスで学ぶ 「福岡県の名城」シリーズ講座

アクロス福岡文化誌第7巻『福岡県の名城』の刊行に合わせて、アクロス福岡にて全3回のシリーズ講座が催されます。
古代の朝鮮式山城から、壮絶な戦いの舞台となった戦国期の城、黒田氏・細川氏が築いた近世の城郭まで、福岡県内の城の歴史や魅力、城跡の見方について「福岡県の名城」を執筆した講師が紹介します。また、全3回の講座の後、実際に現地を目で見て学ぶ「現地講座」も実施予定です。興味のある方はぜひご参加ください。

[シリーズ講座 詳細]
会場:アクロス福岡2階 セミナー室2
時間:14:00〜15:30(13:30開場)
受講料:1000円(当日受付にてお支払いください)
定員:70名(要事前申し込み/先着順)
お申し込み方法:お電話にてお申し込みください
お申し込み電話番号:092-771-0132(海鳥社)
(営業日/月〜土曜日 9:30〜19:00)

第1回 7月6日(土)(終了しました)
古代の城 筑紫の古代山城 〜大野城・水城と神籠石〜
講師/杉原敏之(九州歴史資料館学芸員)

かつて筑紫とよばれた古代の福岡は、対外交渉の拠点であるとともに防衛の最前線に位置づけられ、数多くの古代山城が築かれました。663年の白村江の戦い直後には、平野を遮断する長大な城壁と堀に水を貯えた水城、百済官人が深く関わった朝鮮式山城と呼ばれる大野城や基肄城などが築かれました。一方で、切石を並べた列石上に土塁を築く、記録には登場しない「神籠石」と呼ばれる山城もあります。この講座では、近年の発掘調査や研究成果を踏まえながら、福岡地域を中心とする古代山城の特徴や歴史的意義などについて分かりやすく紹介します。

第2回 9月22日(日)
中世の城 福岡県の中世城館 〜その魅力と歴史〜
講師/岡寺良(九州歴史資料館学芸員)

福岡県内には、戦国時代を中心とした中世の城館(山城や館)が1000箇所以上もあったとされます。それらの多くは、立派な天守閣や高石垣を持たない簡素な造りですが、現在も山中に残され、現地に行くと曲輪や堀など、当時の痕跡を見ることができます。本講座では、これら中世の城館の見所と楽しさを紹介します。また、秋月や太宰府など、福岡県の戦国史を語る上で重要な城館を中心として、その遺構の痕跡を手がかりに作成した「縄張り図」をもとに、城館からみた北部九州の新たな戦国史像を明らかにします。

第3回 12月8日(日)
近世の城 戦国・織豊期北部九州の城郭と豊筑地域 〜城郭跡の資料的活用を通して〜
講師/中西義昌(城郭談話会会員)

豊前・筑前・筑後三国に広がる福岡県は、戦国時代から織豊(安土桃山)時代にかけて多くの城郭が築かれました。山地から平野まで各地に割拠した領主たちは様々なタイプの城郭を築きました。秋月氏や筑紫氏らの築いた、土塁・空堀を持つ戦国期城郭から、黒田氏・細川氏ら豊臣大名が築いた、石垣や巧みな虎口を備えた織豊系城郭まで数多くの城郭跡が今日も残っています。この講座では城郭跡を「史料」として分析する縄張り研究の方法を用いて、豊筑地域(北九州・筑豊)を中心に、城郭からみた地域の歴史を紹介します。