福岡市文学館選書4

竹下しづの女・龍骨句文集

久保より江、杉田久女とともに女流俳句黄金時代をつくった竹下しづの女。
学生俳句の興隆に尽力しながらも若くして逝った竹下龍骨。
二人の残した俳句のすべて……。

高浜虚子に師事し、「短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてつちまおか)」の一句で、女性で初めて俳誌「ホトトギス」の巻頭句を飾った竹下しづの女。「高等学校俳句連盟」(のち、学生俳句連盟)を結成し、機関誌「成層圏」を創刊。学生俳句の興隆に尽力したしづの女の長男・龍骨。本書では二人が残した俳句のほか、俳論や小品を紹介。また、巻末には「しづの女・龍骨年譜」「成層圏総目次」などしづの女研究には欠かせない基礎資料も収録した。
著者略歴
竹下しづの女
タケシタ・シヅノジョ
本名シヅノ。明治20(1887)年3月19日~昭和26(1951)年8月3日。 福岡県京都郡稗田村大字中川生まれ。福岡県女子師範学校卒業後、久保尋常小学校、稗田尋常小学校訓導を経て、小倉師範学校訓導となる。大正元(1912)年、水口伴蔵を養子に迎えて結婚。5人の子どもを得る。8年頃より俳句をはじめ、9年、「短夜や」の句で「ホトトギス」(8月号)の巻頭を飾る。昭和8(1933)年、夫が急逝したのちは、福岡県立図書館児童閲覧室係の出納手として働き始める。 俳句を中心とした活発な文学活動とともに、長男龍骨(本名吉信)らの「学生俳句連盟」の機関誌「成層圏」の指導者として、晩年は九大俳句の指導者として活躍した。
竹下 龍骨
タケシタ・リュウコツ
本名吉信。大正3(1914)年10月20日~昭和20(1945)年8月6日。 竹下伴蔵・しづの女の長男として出生。幼少より俳句をはじめる。旧制福岡高等学校文科独類を経て、九州帝国大学農学部林学科卒業。後、同学部研究室副手となる。後、大学院に進学。高等学校在籍中に、「高等学校俳句連盟」(のちの学生俳句連盟)の設立を企画し、12年、機関誌「成層圏」を創刊。16年5月まで15冊を刊行する。学生俳句連盟の活動は全国に広がり、会員には金子兜太、瀬田貞二、矢山哲治らが参加した。

竹下しづの女・龍骨句文集

四六判 並製/256頁
定価 1650円(本体1,500円)
ISBN 978-4-86656-000-7
C0092
2017年3月発行

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カテゴリー: 詩・短歌・俳句