ノスタルジックな未来
時詩津男写真集写真 時 詩津男
「眼の悦びと眼の裏切りのはざまにあって私たちはどこへ行くのか」龍秀美(序詩より)。都市空間や港湾、廃虚を彷徨しつつ、現実の「非現実性」を、「風景の死」後の風景を、ひたすら探し求めてきた写真家が放つ鮮烈な日本風景論。風景の底に漂う「寄る辺のないノスタルジーは、今の私の心境でもある。(略)すべてが「今、ここに」ありながら、どこにもないかも知れない「別の現実」を映し出しているのではないか。生と死、夢と現実と、ノスタルジックな過去と未来は、互いに矛盾するものではない、それは一瞬の時間の流れでもある。(「あとがき」より)
著者略歴- 時 詩津男
トキ・シヅオ