蕪村のロック
布団の中に入り、寝付くまでのしばらくを、蕪村の句集を開き、気に入ったところから拾い読みしてゆく楽しさは、応えられない快楽である。この癖は、十年前に大学を退職してから一層強くなり、ほとんど病みつきのようなってしまった。世にいうブソニストの一人である。 このようなやり方でこれまで、手許にある蕪村の句集を繰り返し読んできたのであるが、気に入った句はほとんど諳んじるまでになった。そして気がついたのは、不思議なことに、蕪村には、季語とか季節などごとに、私好みの素晴らしい句が、「ちょうど六句ほど、そろっている」ということなのである。 そこで、「蕪村のロック(六句)」と題して、読んで楽しく、見ても楽しくなるような本を作ってみたいと思うようになった。
(本書「はじめに」より) 著者略歴
- 向井 楠宏
ムカイ・クスヒロ - 1940年、三重県に生まれる。1963年、名古屋大学工学部金属学科卒業。1968年、名古屋大学大学院工学研究科博士課程金属工学専攻単位取得満期退学。工学博士。
- 古河 洋文
フルカワ・ヒロフミ - 1948年、大分県に生まれる。1971年、九州工業大学工学部金属工学科卒業。1973年、九州工業大学工学部金属加工学科修士課程修了。三菱重工業株式会社(広島研究所)入社。2002年、同社(高砂研究所)退社。三ツ星ベルト株式会社(神戸本社)入社。2008年、同社退社。工学修士。
はじめに
春
春雨
朧月
春の暮
行春
梅
さくら
菜の花
拾遺
夏
短夜
ぼたん
花
若葉
麦、麦秋
地理、人事
動物
拾遺
秋
相撲
灯、火
花
野分
天文、人事
拾遺
冬
時候
天文一
天文二
動物、植物
拾遺
王朝、異国趣味
王朝趣味
異国趣味
おわりに
写真の説明/絵の説明/参考文献
俳句索引