カネミ油症

終わらない食品被害

1968年。人類が初めて体験する食品被害が起きた。カネミ油症事件だ。カネミ油症はPCBが混入した食用油を使って調理、加熱することでダイオキシンが発生。このダイオキシンを食品とともに摂取したことによって起きた食品被害だ。国の公害認定を受けることができず、40年以上経った今でも被害者たちは苦しんでいる。日本最大の食品被害。この事件はどうして起こり、どんな経緯をたどったのか。発生当初から弁護団の一員として被害者とともに救済を求めてきた著者が18年に及ぶ裁判の意味を問い、今なお残る課題を明らかにする。

著者略歴
吉野 高幸
ヨシノ・タカユキ
1943年佐賀県唐津市生まれ。九州大学卒業後、カネミ油症事件が起きた1968年に弁護士登録、1970年のカネミ油症事件弁護団結成時に参加し、1977年から弁護団事務局長を務める。カネミ油症事件のほか、医療機関の役員として病院経営の再建にも取り組んできた。現在、北九州第一法律事務所所属。福岡市在住。
目次

人類の負の遺産 原田正純
カネミ油症事件は終わっていない 佐藤禮子
事件発生
法廷闘争
全面勝利
暗転
救済への道
資料


カネミ油症

A5判 上製/264頁
定価 2530円(本体2,300円)
ISBN 978-4-87415-785-5
C0036
2010年10月発行

キーワード:
カテゴリー: 社会