佐賀学ブックレット④
佐賀・九州の南方開拓者たち
著者 山﨑 功
南・東南アジアを射程に入れた平和的経済南進を唱道した副島八十六や田中丸善蔵、石橋正二郎といった、南洋に活路を見出した明治リベラリストの気骨あふれる先駆的企業人らを輩出している事実もあります。つまり、これまで知られることのなかった佐賀・九州人脈の多様な伏流の中に、良質なアジア提携と欧米との協調交流を併せ持った「アジア主義」創出の可能性があったのではないかと考えています。大隈に代表される合理主義と江藤・島の流れをくむ激しい伝統回帰の熱情、この佐賀の育んだ両極的な特性の解明と近代日本・アジアに与えた影響の分析を通じて、近代日本の「アジア主義」の限界と可能性を見出そうと模索を続けています。(本書「はじめに」より) 著者略歴
- 山﨑 功
ヤマザキ・イサオ - 1965年まれ。修士(法学)。早稲田大学法学研究科公法学専攻修士課程修了,アムステルダム自由大学Ph.D.プログラム指導終了中退。早稲田大学社会学研究所助手,アムステルダム自由大学社会文化学部助手を経て,2001年から佐賀大学文化教育学部講師。准教授を経て,2014年,佐賀大学文化教育学部教授。2016年,佐賀大学地域デザイン学部教授