じいちゃんの青春
戦争の時代を生きぬいて
戦争の時代をどう生きたのか。
第二次世界大戦が終わる1年前に召集、中国へ。ただただ歩く、歩く。疲労と飢えで次々と亡くなっていく同期兵たち。ひたすら逃げ回る戦争、敗戦。戦後の混乱の中でひたすら生きてきた90歳がいま、思うこと。娘が孫世代におくる聞き書き。
「じいちゃん」こと秋月定良は私の父です。
父にとっての戦争は、空腹との戦いのようでした。明日食べるものがあるかどうかの不安をいつも抱え、移動するにしても行く先も知らされず、ともかく列車に乗り、船に乗り、貨車に乗り、1日40キロ歩くという話しでした。
中国人の農家から食糧を盗んで飢えをしのぎ、雨に濡れたら濡れたまま歩き続け、入浴も洗濯もない不潔で不衛生、不快な環境で過ごすしかなかったという辛く、情けない話しです。
空腹による栄養失調と疲労で多くの戦友が亡くなり、出発時は60名以上いた同期の中で、生きて帰国できたのはわずか10名位だったという悲惨な話しでもあります。(本書「はじめに」より)
著者略歴
- 秋月 枝利子
アキヅキ・エリコ - 「良い人生」をモットーに、コミュニケーション教育、ユニバーサルサービス教育、管理者教育、脳疲労解消セミナーなど幅広い人材教育を実施する。著書に『40歳を過ぎたら考えたい、快適な老後のための7つのヒント』(海鳥社、2002年)、『元気になるコミュニケーション術』(海鳥社、2008年)、『じいちゃんの青春』(海鳥社、2014年)、共著のテキストに『ユニバーサルサービス講座』『高齢者・認知症のお客様への接客サービス』がある。現在、秋月オフィス代表取締役。