コラム◎ 大濠の季節 補遺 勝瀨志保

立夏 りっか 5月5日

変化が楽しいので鳥を続けよう。まずシジュウカラが石垣の小さな隙間に滑り込んだ。眺めていると二、三分おきに♀と♂が入れ替わりで飛んでくる。なぜわかるかといえば、♂の方が白シャツの前の黒ネクタイが太いのだ。たまに白い包みを運び出す。あっ、雛のうんち。かなり大きくなっていそうだ。

エノキの枯れた枝先と生木のちょうど境あたりでコゲラが大工仕事を始めた。一心不乱に木くずを飛ばしながら掘り進む。しばらく姿を見ないと思ったら、中に籠もって時々外をうかがっていた。もう卵を産んだかな。

突然、エナガの数十羽の群れが傍のイタドリに下りてきた。よく見ると親より大きく育った幼鳥があっちでも、こっちでも餌をねだっている。複数の家族で協力して育てるのかな。親戚縁者かも知れない。

最後に、高い木のもうすぐ新緑に覆われて見えなくなるような位置に、小枝ですり鉢状の巣がかかっている。そして傍に一羽のトンビ。抱卵中の見張り番かな。