コラム◎ 大濠の季節 補遺 勝瀨志保

大暑 たいしょ 7月23日

仕事柄、野外で過ごすことが多いので、大気に体を慣らすため、私はエアコンを捨てた。だけど仕事場はビルの一角、南向きのベランダ側は熱風が入って来るため開けられない。とにかく毎日、三回ほど着替えるぐらい汗をかく。夏は夏だと納得してはいるのだけれど、果たして今年は大丈夫だろうか。大暑の次の節気はもう立秋、あと二十日ほどやり過ごせば、息がつける。
というわけで毎年八月一日が大濠花火大会。夜には福岡市民の半分ほどの老若男女が、大濠の縁に集っていっせいに空を見上げる。暑い時になんとも暑苦しい催しだ。おそらく身動きさえままにならない、この上はないというその感覚が醍醐味なのだろう。
最近の花火は芸が細かい。幾重にも重なる色合わせも多彩だが、火花の飛散の方向や集積に変化があって日本の技術は世界一。すぐ下で見上げていたら、ドドーンと腹に響く音も気持ちいい。夜店の数も年々増えている。