而今
著者 名田 惣二郎
「人生をおもしろくしようと思えば、いくらでもおもしろくなる」を口癖に生きた八十余年。戦争という苦難のときにへて出会った、素晴らしき音楽人生。指揮者として、教師として疾走したその年月を綴る。
私の人生には分かれ道の場面がいくつかあった。その時私は、より厳しい道を選んだように思う。「人生おもしろくしようと思えば、いくらでもおもしろくなる」。後輩に説教するときの私の決まり文句だ。私の歩んできた道は屈折した道で、決して一直線の道ではなかったがゆえに、私はおもしろい人生が過ごせたと思っている。
私は音楽の教師の道を選んだのは、正解だったと思う。何しろ好きなことを仕事にして給料をもらえるのだから、こんなにいい仕事はない。
消費・賞味期限ともに切れかかっている、八十一歳になった現在、老いとの戦いに挑戦している。(本書「あとがき」より) 著者略歴
- 名田 惣二郎
ナダ・ソウジロウ - 1933年(昭和8年)3月8日生まれ。1945年、下関東高校(現豊浦高校)入学・卒業後、助教諭として豊浦郡田耕小学校(1951〜)、下関市立東部中学校(1952〜)へ勤務。1953年、福岡学芸大学(現福岡教育大学)へ入学し1957年10月に卒業。以来36年間、教諭、教頭、校長を歴任する。1994年(平成6年)北九州市立浅川公民館館長。1998年、北九州市立田原中学校心の教室相談員。2000年、心の教室相談員を退職し現在に至る。