金子みすずの同郷人・現代の良寛の雑詠集。俳句や短歌の会にも加わらず、詩を作る人との交わりも欠いた一人の市井人が、良寛に倣い形式をはみだして、現代の言葉でこころを詠もうとしたつぶやき。それは、千世紀の変わり目の多難な時代に、励ましを得ようとする一つの試みでもあった。