佐賀学ブックレット6

佐賀城下にあった幻の大名庭園―観頤荘

かつて佐賀城のすぐ西側に広大な大名庭園があったことをご存知でしょうか。庭園は、現在の佐賀市赤松町南部と鬼丸町西部に位置しており、総面積はおよそ11万6000平方メートル(約3万5000坪)あったと見られます。園内には大きな池をはじめ、築山、滝、川、船、太鼓橋、展望台、楼閣、茶屋などが豊富に取り揃えられ、外国の珍しい動物や鳥を飼育する今日の動物園のような施設もありました。内容・規模のいずれにおいても、近世前期の大名庭園ではトップレベルであったといえます。
本書では、この庭園を造営した佐賀藩三代藩主・鍋島綱茂公(1652~1706)が記した『観頤荘記』と、この『観頤荘記』を元に描いたとされる「観頤荘図」をもとに、300年前に実在した幻の大名庭園を案内します。
著者略歴
中尾 友香梨
ナカオ・ユカリ
佐賀大学全学教育機構准教授.博士(比較社会文化),九州大学大学院博士後期課程単位取得満期退学.

<主要編著・論文>
『江戸文人と明清楽』汲古書院,2010年.
『歴史に埋もれた名医―徳永雨卿』佐賀大学地域学歴史文化研究センター,2011年.
『文人大名鍋島直條の詩箋巻』同センター,共著,2014年.
『佐賀藩第三代藩主鍋島綱茂の文芸―「観頤荘記」を読む』同センター,2016年.
「江戸中期の名医・徳永雨卿」,『佐賀学 佐賀の歴史・文化・環境』,同センター,2011年.
「文人大名―鍋島直條」,『佐賀学Ⅱ 佐賀の歴史・文化・環境』,同センター,2014年.
「肥前鹿島藩第四代藩主・鍋島直條と詞」,『風絮』第12号,日本詞曲学会,2016年.
「来日明人任元衡より鹿島藩主鍋島直條に贈られた填詞作品」, 佐賀大学地域学歴史文化研究センター『研究紀要』第10号,2016年.
「小城藩主・鍋島直能と江戸の林家一門―咸臨閣を舞台とした交流―」, 伊藤昭弘編『佐賀学Ⅲ 佐賀をめぐる「交流」の展開』同センター,2017年. ほか多数

佐賀城下にあった幻の大名庭園―観頤荘

A5判 並製/96頁
定価 1100円(本体1,000円)
ISBN 978-4-86656-024-3
C0021
2018年3月発行

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カテゴリー: 歴史・民俗