新聞広告に見る 銃後の福岡

大正時代末から昭和初期にかけて福岡に次々と開店した百貨店は、エレベーターやエスカレーター、屋上遊園地などを備えた時代の一歩先を行く売り場、さらに最先端の文化や情報を発信する展覧会やショーウインドーで人々の胸をときめかせ、時代を牽引してきた。しかし、戦争激化に伴う物資不足により、国策に沿ったプロパガンダのための展覧会が増えていき、同時に人々の暮らしも大きく変化していく。
昭和6年から終戦までの百貨店の展覧会や当時の資料から、戦時下の世相と暮らしを映し出す。
掲載図版300点超
著者略歴
長副 博之
ナガソエ・ヒロユキ
福岡県田川郡添田町出身。熊本大学文学部地域科学学科(民俗学専攻)卒業後、大学職員。郷土史家、資料収集家
目次

福岡 希望に満ちた時代(昭和11年まで)
 百貨店の進出/百貨店と博多築港記念大博覧会/博多築港事業/デパート戦争
 岩田屋百貨店の開店/デパートのディスプレイ/戦時下の百貨店

すでに非常時であった時代(昭和6年-)
 満洲への進出/満洲国/軍用兎の飼育ブーム/献納機

兵隊さん万歳の時代(昭和12、13年)
昭和12年:慰問葉書/慰問品/三国防共協定
昭和13年:戦時貯金・戦時国債/木炭自動車/産めよ殖やせよ/虫歯予防/禁酒運動

精神総動員から対米英戦へ(昭和14-16年)
 昭和14年:聖地・旅順巡礼/徒歩旅行の流行/傷痍軍人/聖戦大博覧会
 昭和15年:国民服/戦時下の婦人服/節米運動/紀元二千六百年
      聖地巡礼・天孫降臨の地
 昭和16年:関門トンネル開通/代用品/報国店/隣組/防諜運動

「撃ちてし止まむ」の時代(昭和17、18年)
 昭和17年:大東亜建設大博覧会/国威高揚の場としての元寇防塁
      小さくなっていく新聞紙面
 昭和18年:防空防火/疎開/配給制度/物価統制/食糧の窮乏/銅像殉死/石炭増産

終焉から復興へ(昭和19、20年)
 終戦間近のデパート/終戦の年のデパート・勝札/伝単/戦後復興期の百貨店 


新聞広告に見る 銃後の福岡

B5判 並製/140頁
定価 2970円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86656-169-1
C0021
2024年8月発行

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カテゴリー: 歴史・民俗