ディーラーズ・チョイス
こいつ ポーカーをやるために 生きてんだよ。『クローサー』の作者パトリック・マーバーの処女作。「『ディーラーズ・チョイス』、『クローサー』、『ハワード・キャッツ』ハ、現代ロンドンを舞台とした三部作trilogyをなすと言われる。「マーバーの作品は、英国の近現代劇には珍しくゆるやかな戯曲構造を持つ。(略)六人の男たちの目まぐるしい出入りとポーカーをめぐる複雑な人間関係からなる筋(プロット)は、劇作法の約束事から限りなく自由である。彼らの愛情とも友情ともつかぬ人間関係は、ポーカーというゲームによってのみ繋がっおり、『クローサー』や『ハワード・キャッツ』に見える現代社会の諸問題は、ほとんど表面に現れてこない。その徹底的にドライな視線が、むしろ現代社会全体を比喩的に表しているといえるのかもしれない。」(「訳者あとがき」より)
著者略歴- パトリック・マーバー
パトリック・マーバー - 上田 修
ウエダ・オサム - 道行 千枝
ドウギョウ・チエ - 岩井 眞實
イワイ・マサミ - 昭和34(1959)年、奈良県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程(芸術・演劇)終了。福岡女学院大学教授を経て、現在、名城大学教授。専門は演劇学・近世文学。主な著作に「身体への視点」(『岩波講座 歌舞伎・文楽』)、「博多興行史 明治編(一)〜(十)」(「歌舞伎 研究と批評」武田政子、狩野啓子との共同執筆)、翻訳に『クローサー』『ハワード・キャッツ』『ディーラーズ・チョイス』(いずれも海鳥社)などがある。