日々の生活の中でこぼれてくる男の本音。呪わしき思い出、初恋、町議となった妻とのありのままの生活。安本淡(あんぽんたん)が日常の一コマを絶妙なユーモアと哀感を込めて詠む。◆暑いとて パジャマのズボン脱ぎ捨てて 眠れる妻に欲情わかず(「妻への苦言」)◆「この野郎」 思いし人の多かりき なかでも山口許せぬ言動(「職場にて」)男のつぶやき、その赤裸々さにくすりと笑わずにはいられない。