シャムタ

バングラデシュ 砒素汚染と戦う村
砒素汚染に立ち向かうバングラデシュの辺境の村シャムタ。ここで生まれ育ったモンジュは、謎の病が地下水の砒素汚染によるものと知り、住民への啓発活動を担う。自らも砒素中毒になりながらも患者に寄り添い、砒素汚染に立ち向かった記録文学の誕生。

 アジア砒素ネットワークは、住民に砒素汚染に関する理解を広げ、患者に適切な治療をおこない、安全な水を供給する施設をつくり、その施設を維持管理するシステムをつくりました。モンジュが担当したのが住民への啓発活動です。自分も同じ病気にかかっていただけに、「私たちのようにならないで」という呼びかけは説得力をもち、聞く人の胸を打ちました。
 私は「シャムタで経験してきたことを書いてみないか」と勧めました。自然につつまれた伝統的な村の暮らし。その村を襲った原因不明の病気。次々と世を去っていく患者と家族の無念。克服するために始まった国際協力。それでも光明の見いだせない長くて暗いトンネル。苦悩する村人の心に光を当てて、確かな記憶にもとづく豊富なエピソードで構成された作品を生み出したのです。
(記録作家・川原一之)
著者略歴
モンジュワラ・パルビン
モンジュワラ・パルビン
1971年、バングラデシュ独立の年にジョソール県シャシャ郡のシャムタ村に生まれる。カレッジを卒業後、結婚、離婚、出産を経て、1997年から日本の国際協力NGOアジア砒素ネットワークのシャムタ村での活動に参加。1998年11月には日本を訪れて、「第3回アジア地下水砒素汚染フォーラム」でバングラデシュ代表として発表。1999年8月にアジア砒素ネットワークの現地スタッフとなり、主に啓発担当として、村々をまわり砒素汚染対策の普及に尽力。自ら砒素中毒を患いながらも、砒素中毒患者に寄り添い、患者支援に奮闘してきた。
松村 みどり
マツムラ・ミドリ
2005年、ジョソールを訪れアジア砒素ネットワークで活動していた著者モンジュワラ・パルビンに出会う。砒素汚染問題だけでなく、水に起因するさまざまな自然災害をたくましく乗り越えるバングラデシュの人々の姿に感銘を受けてきた。2012年よりダッカに住んで、「川の国」と呼ばれるバングラデシュの独自の風土や世界観にベンガル語文学を通して触れることをダッカ生活の楽しみのひとつとしている。

シャムタ

四六判 並製/248頁
定価 1620円(本体1,500円)
ISBN 978-4-86656-012-0
C0098
2017年9月発行

キーワード:
カテゴリー: 社会
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