コラム◎ 大濠の季節 補遺 勝瀨志保
冬至 とうじ 12月21日
サザンカは十一月から一月、ツバキは十二月から三月まで、今ならどちらも咲いている。似たもの同士だが、その簡単な見分け方は、サザンカは真ん中の雄しべが一本ずつ離れていて、花びらが平らに開き、ハラハラと散る。ツバキは雄しべも花びらも下の方がくっついて筒状、雌しべだけ残して首が抜けるようにポトンと花が落ちる。
この二つ、混同するのは私たちだけではない。中国で山茶花はツバキのこと、日本でいつの間にかサザンカにすり替わった。椿は春に花が咲く木という意味で国字、八世紀にはすでに登場する。その頃、椿油が日本から中国へ渡ったという説もあり、海柘榴と呼ばれていたとか。
大濠には赤いヤブツバキの木が多い。舞鶴城址の周辺部分、大濠東の土手に古くみごとな木が何本もある。その中に珍しい白が三本ほど、薄紅が二本混じる。 一方、サザンカは美術館北の広場、保険センターや城内を抜ける車道脇の生け垣など、近年に植栽として植えられたようだ。スターバックスそばの白八重の林、北側の駐車場西の細い花びらの薄紅は美しい