コラム◎ 大濠の季節 補遺 勝瀨志保

芒種 ぼうしゅ 6月5日

芒のある稲籾を蒔く時期なので、芒種。その種の話題にちなんで、二月後半に野っ原に咲いていたカラスノエンドウ、カスマグサ、スズメノエンドウのその後を覗いて見よう。本中でも説明したが、カスマグサとはカラスノエンドウとスズメノエンドウ、つまりカとスの間の草という意味らしい。
一番大きなカラスノエンドウの莢には十粒ほど入っている。莢房は二、三本で黒々と完熟すると捻れながら弾き、種を遠くへ飛ばす。
カスマグサは四、五粒とその半分。花も少し小さかったけど、実もかなり控えめ。


それに比べてスズメノエンドウの莢は十本ほどが房になる。中には種がたいがいニ個収まっている。この割合からいえば、一本の莢に入っている数は少ないけど、房が大きい分、種の数は変わらないのではと考え込んでしまった。この三つの草エンドウ、今ごろ種を蒔いて、来年の春、発芽するのだろうか。不思議な気がしないでもない。