福岡市文学館選書3

那珂太郎はかた随筆集

ナカタロウハカタズイヒツシュウ
詩人・那珂太郎のバックボーンを形成した福岡・博多。那珂太郎の「はかた」にまつわる随筆を編む。詩集「はかた」についての著書による「はかた自注」を収録し、「清々」「止里可比」などに発表した初期の習作である作品群も収録する。
著者略歴
那珂 太郎
ナカ・タロウ
【略歴】 1922年1月23日、福岡市麴屋町に生まれる。父・酒井清三、母・てるの五男。生後半年ほどして実家近くの福田家に養子になる。家業は呉服商)。
1982年4月、奈良屋尋常小学校に入学。
1931年2月、家業の呉服店(福田屋)が廃業。
1934年4月、福岡中学校に入学。38年4月、福岡高等学校文科乙類に進む。
1939年、「こおろ」(のち「こをろ」)創刊。のちに矢山を通じて眞鍋呉夫、島尾敏雄、阿川弘之らを知る。
1940年1月、クラス雑誌「青々」創刊。
1941年、東京帝国大学文学部国文科に入学。43年9月、大学を繰り上げ卒業。10月、海軍予備学生として土浦海軍航空隊に入隊。12月、広島県江田島の海軍兵学校に転属、国語科教官となる。
1945年4月、長崎県針尾に新設の海軍兵学校分校に転属。針尾から山口県防府に移転。ここで終戦を迎える。10月、上京。高等女学校国語科時間講師となる。
1950年5月、第一詩集『ETUDES』刊行。
1973年2月、「ユリイカ」に長篇詩「はかた」を発表。4月、玉川大学助教授として着任、翌年4月に教授となる。
1994年6月、第50回(平成5年度)日本芸術院賞・恩賜賞を受賞。12月、日本芸術院会員となる。
2014年6月1日、 92歳で逝去。
目次

Ⅰ 博多
はかた自注/遠い記憶/在りし日の博多/観世音寺馬頭観音像/帰郷の記/わがふるさと/筑紫野・福岡の万葉/祇園山笠/仙厓寸見/風景の記憶/まぼろしの町へ/時の庭/博多/新春雑感/中学の思ひ出
Ⅱ 戦争
終戦の時/随想三題/「鬱」の音楽/一枚のレコオド/戦記にならぬ記録/偶感/昭和時代の一面、寸感/私の死生観
Ⅲ 交友
伊達得夫のこと/最初の稿料/「こをろ」の頃の島尾敏雄氏/「こをろ」の頃 1/「こをろ」の頃 2/島尾敏雄を憶ふ/『矢山哲治全集』に寄せて/私の知る小島直記氏/この三十年/書肆ユリイカと伊達得夫/眞鍋呉夫/眞鍋呉夫の生前葬/回想的散策/没になつた原稿
Ⅳ 習作
失題/界/婁見の手帖
詩抄
秋/山/吹雪のふる夜は/阿呆/鳥
句抄

【解説】 那珂太郎と「はかた」三浦雅士


那珂太郎はかた随筆集

四六判 並製/252頁
定価 1650円(本体1,500円)
ISBN 978-4-87415-963-7
C0095
2015年11月発行

キーワード:
カテゴリー: 詩・短歌・俳句