鬼と権現
中性久留米の社会と宗教著者 古賀 正美
久留米に残る祈りの痕跡をたどり、中世人の精神世界を照らし出す。 著者略歴
- 古賀 正美
コガ・マサミ - 1952年2月、福岡県八女市福島生まれ。福岡県立福島高等学校卒業。熊本大学法文学部文科国史学専攻卒業。1982年、久留米市役所入所(埋蔵文化財発掘調査員)。2013年、久留米市役所退職(文化財保護課長)。現在、久留米大学非常勤講師、筑後市文化財専門委員会委員、久留米古文書を読む会代表
■第1章 鬼と権現──忘れられた霊場
御塚・権現塚古墳と三潴郡司
鬼塚と鬼
文献に見える鬼夜
能に見る鬼
「権現塚、鬼塚一条」の内容
権現塚と権現
大善寺玉垂宮の信仰圏
霊地の成立
■第2章 草野氏と『絹本著色観興寺縁起』
『絹本著色観興寺縁起』について
草野氏について
文献から草野氏の居館を復元する
字図から草野氏の居館を復元する
鎌倉前期から南北朝期の吉野尾館
付論・戦国期の城下町としての吉野尾館
『観興寺縁起』と草野氏──鎌倉時代後期の観興寺と吉野尾館跡
■第3章 肥前・筑後地方の応永地蔵板碑の造立とその意義
久留米地方の地蔵信仰の受容
応永地蔵板碑の分布と寺社
応永地蔵板碑の出現について
■第4章 天正12年12月の善導寺焼き討ち事件について
問題の所在
事件をめぐる政治状況
焼き討ち事件の史料の検討
地域権力としての善導寺
善導寺の大溝
■第5章 尼御前社と御供納
尼御前社について
筑後地方の平家伝説
八丁島の位置について
御供納について