しぐさ・表情 蒙古襲来絵詞復原

永青文庫白描本・彩色本からー
竹崎季長と絵師の意図、そして「蒙古襲来」の実態とは。正応6年(1293)頃、肥後国の竹崎季長によって制作された「蒙古襲来絵詞」。その失われた場面を「絵詞」の最も古い情報を持つと思われる永青文庫所蔵の模本・白描本から復原。絵そのものをつぶさに検証することで、「絵詞」と「蒙古襲来」に関する後世の誤った認識を明らかにし、本来の姿を表出する。三の丸尚蔵館所蔵の原本全幅と、紙面初公開となる永青文庫所蔵の白描本・彩色本全幅をオールカラーで一挙掲載。
著者略歴
服部 英雄
ハットリ・ヒデオ
949年名古屋に生まれる。1976年東京大学大学院修士課程修了後,東京大学文学部助手。1978年文化庁文化財保護部記念物課文部技官,1985年同調査官を経て,1994年から九州大学大学院比較社会文化研究科助教授,1997年教授,2011年から2013年まで研究院長を兼任。2015年九州大学退職後,くまもと・文学歴史館館長に就任し2021年退任。現在名古屋城調査研究センター所長。

『景観にさぐる中世―変貌する耕地景観と荘園史研究』(新人物往来社,角川源義賞受賞),『武士と荘園支配』(山川出版社),『地名の歴史学』(角川書店),『峠の歴史学』(朝日新聞出版部),『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社,毎日出版文化賞受賞),『蒙古襲来』(山川出版社),『蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実』(中公新書),他編著書多数。
目次

第1部 蒙古襲来絵詞研究
1章「蒙古襲来絵詞」の保存過程と永青文庫白描本の価値
2章「蒙古襲来絵詞」の特色と分析視点
3章復原的視点によって絵と詞を読む

第2部 竹崎季長と肥後国海頭(海東)郷
1章 竹崎季長の出自
2章 竹崎季長の海頭郷経営・果たせぬ夢
3章 竹崎季長の原風景・中世海頭(海東)郷の景観復原

第3部 蒙古襲来の背後・被虜人たちの戦後
1章 蒙古合戦被虜人が補整した大般若経
2章 安達泰盛のもとにいた流罪唐人と日本僧の交流

附論  蒙古襲来での元(蒙古)の敗因


しぐさ・表情 蒙古襲来絵詞復原

A5判 上製/440頁
定価 3850円(本体3,500円)
ISBN 978-4-86656-114-1
C0021
2022年3月発行

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カテゴリー: 歴史・民俗