季語になれなかった疱瘡
著者 辻 敦敏
江戸時代には、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶を始め、蕉門の人々により疱瘡とそれにまつわる句が詠まれている。しかし現在、植疱瘡、疱瘡痕、はしかは季語として残っているが、疱瘡は季語ではない。
疱瘡という病と、その病と人類の闘いを、多くの資料を元に説明し、なぜ疱瘡は季語になれなかったかという疑問に迫る。 著者略歴
- 辻 敦敏
ツジ・アツトシ - 1934年、東京生まれ。小児科医。2016年、知音俳句会入会、誌友。号敦丸
日本史上の疱瘡とはしか
疱瘡の初めての記載と名称の推移
疱瘡は何処から来たのか
わが国の疱瘡の疫史
地方における疱瘡の流行
疱瘡の正体
医学的見地からみた疱瘡とジェンナーの業績
微生物とは
ポックスウイルス科
ウイルスは何処から来たのか
疱瘡とはしかの鑑別
疱瘡予防の歴史
エドワード・ジェンナーの業績
明治・大正・昭和時代の種痘、植疱瘡
ゲノム時代の疱瘡ウイルスと疱瘡ワクチン
疱瘡と文芸作品
文芸作品に書かれた疱瘡
疱瘡の句
疱瘡神の句
疱瘡とはしかの句
はしかの句
季語というもの
まとめ