平和ブックレット 5
11時2分のメロディー
著者 山川 剛
いま長崎市では、毎朝、原爆資料館からオルゴール音で11時2分にメロディーが流されている。毎月9日には、市の防災行政無線からそのメロディーが市内全域に流されてもいる。「長崎を最後の被爆地に」するための、日々の営みとしての「11時2分のメロディー」は、そもそもどのような経過をたどって鳴らされるようになったのだろうか。30年の時が流れると、それを語ることのできる人はほとんどいない。いまはどうなているのか、これからはどうなるのだろう。多くの人にとって、それほど興味、関心を引くことではないのかもしれないと思いながらも、「11時2分のメロディー」が鳴りつづけることを願い、私としては記憶と意欲のあるうちに、その「いま」と「むかし」を書き留めておきたいと思うのである。(「はじめに」より)
著者略歴- 山川 剛
ヤマカワ・タケシ - 1936年、長崎市に生まれる。36年間、長崎の小学校に勤務する。在職中から平和教育に力を注ぐ。1980年、ユネスコ軍縮教育世界会議に参加する。「長崎県原爆被爆教職員の会」副会長、2005年より活水高等学校非常勤講師。著書に「平和ブックレット」シリーズ(現在5巻)『希望の平和学』(長崎文献社)がある。
はじめに
十一時二分のメロディー
一、広島の「平和の鐘」
二、「あの日」を語り継ぐために
三、十一時二分のメロディー
ある爆死証明書
一、希望を学ぶ「長崎平和学」
二、爆死証明書
三、爆死証明書初公開
四、二つの「これから」
資料
おわりに