運河堀川

四百年の歴史を語る
初代福岡藩主・黒田長政が切り開き、日本の近代化産業を支えた運河・堀川の四百年の歴史を語る。元和7(1621)年、暴れ川として恐れられていた遠賀川(福岡県の筑豊地方から北九州市・中間市・遠賀郡を流れる一級河川)の流れを二分し、治水と用水・舟運を目的とした長政の堀川開削。遠賀川と洞海湾を結ぶ全長約12キロの工事が完了したのは、着工から実に184年目のことであった。槌や鏨で岩山を切り開いた苦難の道のりから、筑豊の石炭輸送の動脈として、日本の近代化産業を支えてきた堀川の全貌を辿る。 堀川運河は平成19年に経済産業省の「近代化産業遺産33」の一つに認定。
著者略歴
桟 比呂子
カケハシ・ヒロコ
北九州市生まれ。劇作家。主な著書に『化石の街 カネミ油症事件』『男たちの遺書 山野炭鉱ガス爆発事件』(共に労働経済社),『メダリスト』(毎日新聞社),『うしろ姿のしぐれてゆくか 山頭火と近木圭之介』『求菩提山 私の修験ロード』『やさしい昭和の時間 劇作家伊馬春部』『評伝月形潔 北海道を拓いた福岡藩士』(以上海鳥社)など多数。
目次

第一章 堀川開通前の洞海湾
堀川と洞ノ海/黒田長政の堀川策定/港の発展/水害と飢饉/堀川工事再開
第二章 堀川開通と日本近代化
堀川開通/堀川開通余波/筑豊炭鉱の揺籃/明治新時代へ/日本の近代化と石炭/急速な発展
第三章 石炭産業の光と影
八幡製鐵所/伊藤傳右衛門/三好徳松/水害と遠賀川改修工事/戦争と炭鉱/堀川に咲いた文学サークル/公害・鉱害
第四章 堀川の生活と風土
人々の暮らし/川筋気質/堀川の氏神/堀川怪異譚/堀川流れ太鼓
終 章


運河堀川

四六判 並製/258頁
定価 1980円(本体1,800円)
ISBN 978-4-86656-061-8
C0095
2019年11月発行

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カテゴリー: 歴史・民俗