茶の湯と筑前

利休らの足跡と「南方録」の系譜

茶祖栄西、茶聖利休、利休参禅の師・古溪宗陳、そして秀吉も足跡を残した筑前。小早川隆景、黒田如水ら武将と茶の湯の関わりを尋ね、福岡藩重臣立花実山編述とされる利休茶の湯の伝書「南方録」の伝写過程を跡づける。「南方録」は、利休の校弟南坊宗啓が書き留めた利休茶道の伝書として、従来から流派を超えて最も重要視されてきたが、近年では、元禄期の福岡藩士立花実山が編纂・著述したものではないかというのが大方の説である。しかし、だからといってすべてが否定されるべきではなかろうと思う。(略)本書では、「南方録」伝写の過程に登場する異色の人物として、二天一流剣術の達人立花寧拙、京都の豪商大文字屋五兵衛、江戸における伝写の発端となった笠原道桂、そして俳人立花秋水などを取り上げた。また、茶釜の名品として知られる「芦屋釜」は茶道史上で特筆すべきものであり、一つの章を設けて紹介することにした。(「まえがき」より)

著者略歴
松岡 博和
マツオカ・ヒロカズ

茶の湯と筑前

四六判 並製/248頁
定価 2200円(本体2,000円)
ISBN 978-4-87415-758-9
C0095
2010年4月発行

キーワード:
カテゴリー: 歴史・民俗